映画館情報
フランスの有名映画館/ホームメイト
芸術の国でももちろん映画は大人気。近年では、来場者数も増加傾向にあるフランスの、代表的な映画館をピックアップして紹介していきます。
大型シネコンとお洒落なミニシアターが共存
大手の会社が経営するパテ、ゴーモン、エムカドゥなどの大型シネマコンプレックスも多く存在しますが、さすがは芸術の都。パリには小粋なミニシアターが多数あります。
というのもフランスでは、一定数の自国の映画を上映しなければならない決まりがあるため、それを行なうためにもミニシアターの存在は不可欠なのです。
名画を中心に上映しているのが、パリにあるル・シャンポ。外観も非常にノスタルジックあふれるもので、ここで往年の傑作を見られるシチュエーションは羨ましい限りです。
また、パリのサン・フランソワ・グザビエ駅からすぐにあるのが、ラ・パゴドです。一見すると東洋の寺院のような造りで、とても映画館とは思えません。内装も日本風なオブジェがあったりと、個性的です。ここでも、芸術性にあふれるフランスのミニシアター作品が上映されています。
さらに、パリにあるステュディオ・ガランドも個性あるラインナップで賑わっています。ミニシアター系フランス映画の上映はもちろん、お洒落なイギリス映画なども多く取り上げています。
そして、モンマルトルのストゥディオ28は、内装をなんとフランスを代表する芸術家の1人ジャン・コクトーが手がけています。こういったエピソードも、フランスらしい洒落た雰囲気です。
老舗映画館ルクソールの再建がパリジャンの注目に
2013年に、復建された老舗映画館がルクソールです。1921年に、建築家アンリ・ジプシーが設計したミニシアターとして誕生しました。ルクソールが位置するパリ18区は、移民が多く住む地区としても知られ、アラブ人や中国人が増加していますが、この事実はこの地区にパリジャンの注目を集めるに値する"事件"としてフランスでは取り上げられています。
ちなみに、フランスでは映画料金は約1000円ほどで、日本よりも格安。また、入口と出口が別々の劇場も多く、初めて訪れる海外の観客は少し戸惑うこともあります。
そして、シネコンの増加に伴うハリウッド大作の上映や最新の3D対応劇場などが増えたことで、2010年には歴代2位の映画館入場者数を記録しています。
エンターテインメント性あふれるハリウッド大作と、アート性豊かなフランス製の単館作がうまくミックスされ、観客の趣味嗜好でチョイスできる幅が広がっているフランスの映画館。パリで映画を見る際には、ぜひとも劇場のシチュエーションにもこだわりたいものです。