映画館情報
名画座について
新作のときについ見逃してしまった映画をどうしても大スクリーンで見たい、あるいは映画をお得に鑑賞したい。そんな方にぜひ足を運んでほしいのが、名画座です。
映画が格安で、しかも複数本見られる欲張りな映画館

名画座とは、主にロードショーとしての公開を終えた作品や、過去に上映された作品をメインに上映する映画館のことをいいます。ロードショーで何度も上映されたためにフィルムに傷がつき、画質があまりよくなかった名残りから、「二番館」「三番館」と呼ばれることもあります。
シネコンなどは全席指定・入れ替え制が一般的ですが、名画座は基本的に二本立てや三本立てで上映することが多く、自由席・1日中入れ替えなし。中には出入り自由という映画館もあり、途中で外出してご飯を食べて帰ってくることも可能な場合もあります。
さらに、入場料金は1,000円前後とリーズナブルな設定。かなりお得に映画を満喫できるというわけです。
オリジナルチラシにトークショー。ユニークな企画でファンを掴む

名画座の魅力は金額面だけではありません。さまざまなところに独自のカラーを打ち出し、映画ファンをひきつける工夫をしているのも大きな特徴です。
例えば、上映する作品のラインナップ。名画座では、ロードショーを終えたばかりの作品はもちろん、映画監督や俳優、作品の舞台など、テーマを決めて上映しているものや、まったく関連のない組み合わせのものまで、その時々でさまざまな作品が上映されます。ときにはモノクロ映画や有名監督が無名だった頃の初期の作品など、DVDやビデオにはソフト化されていないような珍しい作品が上映されることもあります。
また、上映スケジュールに加えてコラムやエッセイも入れたオリジナルのパンフレットや掲示物を製作するなど、スタッフの映画への情熱も伝わってきます。さらにはオールナイト上映や作品に関連するゲストを呼んでトークショーを開催するほか、ファン投票で上映作品を決定するというイベントも。観客を巻き込んだ企画でつねに楽しませてくれるのです。
日本で最初の名画座は、銀座に1953年にできた並木座です。残念ながらこちらは閉館してしまいましたが、東京では早稲田松竹、新文芸坐、ギンレイホール、目黒シネマなどがあり、大阪では新世界東映、日劇会館などが。その他にも全国各地に存在しています。とはいえ、レンタルDVDやケーブルテレビ、インターネットでの映画配信サービスなどの普及により需要が少なくなっていき、残念ながら全国的に館数は減少傾向にあります。
最新の機材が整った大スクリーンで最新作を見るのも魅力的ではありますが、どこか懐かしい感じのする名画座で、過去の名作を楽しむのも乙なもの。映画館の新たな魅力を発見できるかもしれません。