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映画用語集(ま行)



映画に関する用語(ま行)をご紹介します。

マカロニ・ウエスタン

マカロニ・ウエスタン(マカロニ・ウエスタン)

1960年代から1970年代にかけてイタリアで製作された西部劇。イギリスやアメリカなどでは「スパゲッティ・ウェスタン」と呼ばれていたが、映画評論家の淀川長治(よどがわながはる)が、黒澤明の「用心棒」(1961年)にインスパイアされて製作したセルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」が1965年に日本で公開された際に、「スパゲッティでは細くて弱々しいイメージを持ってしまう」という理由で「マカロニ」に変更したと言われている。1960年代のアメリカでは西部劇が減少傾向にあったが、西ドイツの西部劇『シルバーレイクの待ち伏せ』(1962年・昭和37年)の大ヒットがドイツの映画界に活力を与えたことにより、当時、西部劇の需要があったヨーロッパ、南米、中近東などに向けてイタリアが西部劇を製作するようになった。日本でもマカロニ・ウェスタンは大人気となった。

マサラ・ムービー/インド映画

インドで製作されたエンターテインメント映画。現地では、インドで欠かせない香辛料から名付けたマサーラー・フィルム、または、ボンベイとハリウッドを合体させた造語で「ボリウッド・フィルム」などと呼ばれている。インドでは映画が1番の娯楽で、年間1,000本以上が製作されている。歌とダンスのミュージカル仕立てのシーンがところどころにちりばめてあるのが特徴で、6曲の歌、3つの踊りが定式。さらに、ストーリーの中には「ナヴァ・ラサ」と呼ばれる、色気、笑い、涙、アクション、スリル、驚き、憎悪、怒り、平安の9つの情感が必ず織り込まれており、休憩を挟んだ3時間にも及ぶ作品がほとんど。日本で最も有名なマサラ・ムービーは『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995年・平成7年)。日本では1998年(平成10年)に公開され、大ヒットした。

マジックアワー

マジックアワー【magic hour】は撮影用語で、「ゴールデンアワー」、「マジックタイム」とも言う。直訳すると魔法の時間。日本語では薄暮(はくぼ)、黄昏(たそがれ)どき。太陽が完全に沈んでいるのにどこからともなく射す光で、周りがソフトで暖かく黄金色に包まれた、真っ暗になる直前の限られた時間帯を指す。ときに日の出の直後を指すこともある。このマジックアワーに撮影された映画の代表として、テレンス・マリック監督でリチャード・ギア主演の『天国の日々』(1978年・昭和53年・アメリカ)が挙げられる。撮影するチャンスが1日約20分しかない中、作品のほとんどをこの時間帯に撮影した。黄金に輝く麦畑が印象的。また、色彩の魔術師と言われたイギリスの撮影監督、映画監督のジャック・カーディフが「マジックアワー」のタイトルで映画人生を語った本を出版している。

ミュージカル映画

ミュージカル映画(ミュージカルエイガ)

ストーリーが歌とダンスを中心に構成された映画。ミュージカル映画は、トーキー(発声映画)で製作された初の長編映画『ジャズ・シンガー』(1927年・昭和2年・アメリカ)からはじまり、世界初の全編トーキーで作られたミュージカル映画『ブロードウェイ・メロディー』(1929年・昭和2年・アメリカ)が第2回アカデミー賞作品賞を受賞するなど、高い評価を得た。名作『雨に唄えば』(1952年・昭和27年・アメリカ)を生んだ1950年代にはミュージカル映画ブームとなり、1960年代には『ウエスト・サイド物語』(1961年・昭和36年・アメリカ)、『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年・昭和40年・アメリカ)といった大作が公開された。日本では、山口淑子(李香蘭・りこうらん)の『東京の休日』(1958年・昭和33年)、石原裕次郎の『素晴らしき男性』(1958年・昭和33年)、美空ひばりの『希望の乙女』(1958年・昭和33年)、『アスファルト・ガール』(1964年・昭和39年)などが製作されている。中でも高島忠夫、フランキー堺の『君も出世ができる』(1964年・昭和39年)は和製ミュージカルの代表作。

モンタージュ理論

【montage】はフランス語で断片や部品の組み立ての意味。映像編集の基礎、映画理論の用語のひとつ。個々のショットとショットを組み合わせて別の意味を表現すること。編集と同じ作業を指し、ハリウッドでは「エディティング」と呼んでいる。1920年代にソ連の監督レフ・クレショフ、セルゲイ・エイゼンシュテイン、フセヴォロド・イラリオーノヴィチ・ブトフキンらによって研究され、なかでも1920年代のソ連で生みだされた本質を理解するためのモンタージュ理論は、別々のショットをつなげることによって、哲学的な意味を暗示した。有名な例として、レフ・クレショフ監督の実験があり、無表情な男性のアップの次にスープ皿のアップをつなげることによって観る者に空腹を感じさせた。このようにモンタージュによって意味合いを変化させることを「クレショフ効果」と言う。セルゲイ・エイゼンシュテイン監督は『戦艦ポチョムキン』(1925年・大正14年)などの作品でモンタージュ理論を実践した。

モンドムービー

モンドフィルム、モンド映画。ジャングルの奥地など秘境と呼ばれる文明社会から離れた国や地域の変わった風習、夜の風俗、動物虐待に密着するといった衝撃的な出来事、残酷的なエピソードを、ナレーションで進行していくスタイル。見世物的な感覚もあり、ときにやらせも織り交ぜられることから、エクスプロイテーション・フィルムのひとつとも言われている。代表的なのは、イタリアで製作されたドキュメンタリー『世界残酷物語』(1962年・昭和37年)。世界中で大ヒットしたこの映画のイタリア語原題『Mond Cane(犬の世界)』から、同じような形態の映画を「モンドムービー」と呼ぶようになった。また、日本でも『世界残酷物語』に影響を受けた作品『日本の夜/女・女・女物語』(1963年・昭和38年)が製作され、「和製モンド」と呼ばれた。

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